塙団右衛門 「 ばんだんえもん」って読みます。

今どきの若い人にはイマイチ耳なじみがないかも知れませんが、戦前(!)の頃には人気のあった戦国武将なんですね。

団右衛門は…スイッチが入ると制御不能の荒くれ武将に変身します。

暴発注意の危険人物でした

とりあえず、織田家に仕える団右衛門

 

塙団右衛門1567年生れで、元々は尾張国の百姓でした。

ところが、体がデカいのを見込まれて織田家の足軽になります。

 

団右衛門は普段は大人しい性格なんです。

でも、ちょっとスイッチが入ると凶暴な男に変身…

 

例えば酒。

 

せっかく織田家の家臣になった団右衛門 でしたが、ある日酒飲んで闘争本能がむき出しになって、殺人を犯してしまいます。

そして、織田家を追放されました。

(追放ぐらいで済んだので「お互い様」だったのかも…)

 

戦国武将って気性の荒い人も多いので、時々流血騒ぎになる事もあるんでが処分は人それぞれ違います。

笑って許してくれる事もあれば、厳しく咎められる時もある。

 

で、団右衛門 の場合は追放。

たぶん良くも悪くも重要視されていなかったんでしょう、この当時は。

「使えないヤツはあっち行ってろ」みたいな感じ。

 

 

加藤善明の逆鱗に触れる

 

織田家を追い出された団右衛門 は、北条綱成に仕えます。

しかし、北条は豊臣秀吉に滅ぼされてしまい、またもや失業する団右衛門 。

 

そして、その次に仕官した所は加藤嘉明。

秀吉系の武将です。

 

団右衛門は、加藤嘉明のもとで次第に頭角をあらわすと侍大将になり知行1000石を貰えるようになりました。

(1000石ってなかなかスゴイですよ)

 

特に朝鮮出兵では大活躍で、朝鮮軍の船を3隻乗っ取るという快挙を成し遂げています。

 

そして、関ヶ原の合戦(1600年)。

団右衛門 は、ここで決定的なヘマをしでかします。

 

陣に着いた団右衛門 は武功を焦って、勝手に自分の部隊を出動させてしまいました。

抜け駆けをしちゃったんですね。

 

こういう事されると困るんです。

指揮系統は乱れるし、せっかくの軍略がパーになりかねない。

戦は敵将の首を取るのも大切ですが、もっと大事なのは統率を保って軍全体で勝つという事。

 

嘉明の目からしたら、団右衛門 の行いは反逆行為に等しい。

しかもその理由は「自分の手柄を立てたいと」来たもんだ!

 

ふざけんな、バッキャロー。

自分一人で戦ってんじゃないんだ。

戦を自分の舞台みたいに勘違いするなよ。

 

嘉明はカンカンです。

 

しかも嘉明は自分勝手なヤツとか、自分から目立とうとするヤツが大嫌い。

もともと、そういう性格なんです。

(真面目で几帳面な性格)

 

だけど、団右衛門 は戦となるとスイッチが入ってしまう

もの凄いテンションが上がって、自分でも止められないくらい。

言って分かるようなヤツじゃない。

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無理ですね、この二人。

絶対に相性が悪い。

いつまでも仲良しでいられるワケが無い。

 

で、塙団右衛門 は嘉明のもとを去っていきます。

「加藤は根性が小さい、俺はもっとスケールの大きい人間なんだ」

みたいな手紙を書き残して。

 

嘉明はこういうのもイヤなんです。

勢いだけで生きてる様なヤツが。

「アイツ…絶対に許さん!」

 

そこで嘉明は他の大名に奉公構(ほうこうがまえ)を出します。

塙団右衛門 が来ても決して雇わないでください」と。

(いろんな大名を渡り歩くが、途中でクビになる)

 

おかげで団右衛門 は、すっかり武将業界に居ずらくなってしまいます。

(嘉明に謝りに行けばいいんですけどね、)

 

良い所で使ってやれば鬼のように活躍するんですが、一歩間違えると厄介な鼻つまみ者の団右衛門 なのでした。

 

 

そして、最期の大坂の陣

 

行き場を失った団右衛門 は京都の妙心寺というお寺に入り、自らを「鉄牛」と名乗り坊さん活動をします。

と言っても、お坊さんの割には刀を腰に差してる怪しい坊主

(心底反省している感じがしない…)

 

やがて、そうこうしている間に豊臣と徳川の対立が激しくなって…大坂の陣が勃発。

 

インチキ坊主をしていた団右衛門 は、もちろん戦場に戻っていきます。

しかも、豊臣側に参戦。

 

これは別に豊臣に忠義があったのでは無く、武功のボーナス狙い。

豊臣で働いた方が、給料がいいと言う理由からでした。

(負けたら元も子もないと思うんですけど…)

 

まぁ、団右衛門 らしいですね。

「戦」と聞くと、思考回路が壊れてしまうんです。

 

さて、大阪の陣が始まると…団右衛門にまたもや変なスイッチが入ります。

 

敵陣近くに迫って、紙吹雪を撒き散らしながら矢を放つとか…一番槍を競って勝手に突撃しちゃうとか…ワケのワカンナイ事やってました。

(団右衛門は一応大将格として参戦し、それなりの戦果は挙げています)

 

しかし、勝手に突っ込んだため本隊との連動がうまくいかず、もみくちゃになった戦況の中で矢を食らって落馬。

そして、最期は槍で刺されたと言います。

 

まぁ、確かに勇敢とい言えば勇敢。

ただ、無謀と言えば無謀かな?

 

 

戦前では、この団右衛門 の勇敢さ(無謀)がカッコよく語られていたようですね。

しかしまぁ、なんつーか、、時代を感じますね。

こういうキャラクターって、僕個人は(密かに)好きなんですけど、ちょっと…今流行りじゃ無いよなぁ~。

戦前のヒーロー武将。

 

 

まとめ

体格の良さから信長に勧められ、武将の道を歩み出す塙団右衛門 。

しかし、素行の悪さからたらい回しのように諸大名を渡り歩く。

普通だったらどこかで心を入れ変えてもいいんですが…そこは塙団右衛門 、最期まで自分のスタイルを貫き通します。

ま、だからこそ「ここ一発の強さ」があったのかも知れませんね…。

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