富田勢源の痛快エピソード&基本情報【入門用】佐々木小次郎の師匠?

富田勢源(とだせいげん)とは、「佐々木小次郎」のお師匠さんと言われた剣豪。

勢源って、宮本武蔵とか柳生十兵衛みたいに、あまりテレビに出てこないのでいまいちピンと来ない人も多いと思いますが、神様クラスの武芸者です。

伝説の剣豪って、話が大げさになってどこまで本当か分らない様な人もいますが、富田勢源ははちゃんと実在した剣の達人。

しかも、目が不自由で、耳もよく聞こえないだとか…

どうなっとるんじゃ、この人は!?

エスパーか…?

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富田勢源は小次郎の先生?

佐々木小次郎と言えば、巌流島で宮本武蔵と対決した超絶武芸者。

(武蔵には負けちゃいましたが…)

そんな小次郎に剣術を教えたのが、富田勢源だと言われています。

 

そこで「なるほど、小次郎は剣の神様の元で修行し、そして燕返しを編み出したのだな…」

といきたい所ですが、ちょっと疑問が湧いてくる。

 

小次郎と勢源では、年代的に辻褄が合わないんですね。

小次郎よりも勢源の方が80歳以上年上なので、剣術を直接教えるには年齢的に無理があります。

 

普通に考えれば、小次郎は勢源のお弟子さんに習っていたか、富田系の別の道場で稽古していた等が考えられます。

(他にもいろんな説があります。小次郎オジイサン説とか、小次郎は別の人だった説とか。)

 

勢源は身元のしっかりした武芸者なんで、経歴とか年代は動かし難い…

だから、小次郎の方を調節して勢源と繋げようとします。

 

すると、小次郎の存在が急に怪しくなる。

小次郎は本当に勢源(もしくは富田系)に習ったの武芸者なのか?

ちゃんとした記録も残ってないし…。

 

そもそも、小次郎なんていないんじゃないの??

う~ん、それももしかしたらアリかも…。

(でも、それを言っちゃあオシマイなんですけどね)

 

巌流島の決闘って半分はファンタジーなんですけど、富田勢源はリアルな剣聖。

佐々木小次郎との師弟関係は「?」でも、勢源は歴史的に重要な武芸者。

 

日本の伝統古武術を継承し、その流れは脈々と現代まで受け継がれています。

日本の剣道のルーツを遡ると、大事なポイントで「富田五郎左衛門勢源」が現れてきます。

 

(小次郎伝説を引き立てるには、このくらい強烈な人物の存在が必要だという事なのかな?)

 

 

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盲目の剣豪

富田勢源の肖像画を見ると、目の部分が白く塗り潰されています。

これは勢源は目が見えない、もしくは視力が弱かった事を意味しています。

 

もともと目は見えていましたが、後に目の病気が悪化したとか、戦で目つぶし攻撃を食らって失明したという話があります。

 

目が見えないのに、剣なんか振れるのかなぁ?

なんて疑問に思うんですが…さっき話した勢源の肖像画ではちゃんと刀を差している

 

絵に描かれている風貌を見ると、失明して引退した後の姿。

勢源は失明した後に頭を剃っていますので、分かります。

 

それは、刀を差してシャキッと胸を張り、侍然としたお姿なんです。

目が見えなくても剣術に携わっていたのでしょうか?

(テレビドラマの「座頭市」を思い出します…)

 

ちなみに、勢源は目だけじゃなく耳も不自由だったと言う話。

わおっ、なんて人なんだ!

 

薪で無礼者をぶっとばす

これは有名なエピソードなんで、ご存知の方も多いと思いますが一応、紹介しておきます。

 

富田勢源は朝倉家の家臣なんですが、ちょっと用事がありまして…お隣の美濃国(斉藤家)の稲葉山城を訪ねたんです。

 

すると、斉藤家の家臣(梅津ホニャララ)が「朝倉の剣豪」がやって来た事を聞きつけ、自分との腕試しを申し込みます。

つまり、練習試合をしてくれって事。

 

しかし、勢源は申し出を断りました。

「ウチの流派は他流試合をしないんです。

もし富田流の剣術を見たかったら、我々の道場に来てください」

 

軽くあしらわれた梅津ホニャララはカチンと来て、こう言いました。

「あんた、どうせ負けるのが怖いんでしょ?だから逃げてるんだよね。

 まぁ、俺は試合となったら、斉藤の殿様だってボコボコにしちゃうからさっ!

 ビビるのも無理はないけどね~ 」 ( ´艸`)

 

それを聞いてムカついたのが、斉藤義龍

このヤロー調子に乗りやがって!オレをボコるだと?

 だけど…コイツの言う通り剣術で勝負したら絶対に敵わない…くっそ~」

そこで・・・

「勢源さん…悪いんだけど俺の代わりに、コイツを懲らしめて下さい、頼むっ!」

 

こうして、勢源は渋々試合をする運びとなりました。(やりたくないなぁ~)

 

梅津ホニャララはでっかい木刀を構えて、殺気をガンガン放っています。

対する勢源は、その辺に転がっている?棒切れで応戦。

(イマイチやる気が感じられない)

 

さて、試合が始まると…梅津ホニャララは、勢源に頭の横を叩かれて流血。

続いて、肩の下辺りをガツンと打たれました。

もう、痛いのなんのって…。

木刀が手から落ちます。

 

それでも、諦めない梅津ホニャ。

今度は本物の刀で切りかかります!

(ブチ切れちゃってますね)

 

勢源はこれをサッとかわして、次は反対側の腕を叩きました。

 

勝負あり!

梅津ホニャは、両腕を負傷して戦闘不能。

テクニカルノックアウトです。

 

試合の結果を聞いた斉藤義龍は、勢源に礼を述べました。

「いやぁ、勢源さんありがとう!これで、スッキリしたよ。

 お礼と言っちゃ何だけど…好きなだけお金をあげるね。

 遠慮しないでいっぱい持って行ってよ・・」

 

しかし、勢源はせっかくの申し出を断り、越前国へフツーに返っていきました。

(カッコいいっす)

 

ちなみに勢源は、この時すでに目の調子が悪くてちゃんと見えていなかったそうです…。

(よく、戦えましたね)

 

 

まとめ

富田勢源は、佐々木小次郎のヒーロー性を引き立てるため、先生役に選ばれたスーパー武芸者。

実在の剣豪であり、勢源の技と伝統は形を変えながら現代まで引き継がれている。

目と耳が不自由であったが、ハンディキャップを感じさせない生きざまは実に見事。

梅津某との対戦談はメッチャ痛快ですね。

 

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