徳川四天王の一人である酒井忠次。
本多、榊原、井伊達と比べると若干地味な印象があるのはまとめ役的な立場だから。
もし忠次がいなかったら、徳川はとっくの昔にバラバラになっていたかも知れない…
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忠次は四天王だけど、他の3人とはちょっと違う
地味キャラの四天王
徳川四天王と一口に言っても、みんなそれぞれに個性があります。
その中でも、酒井忠次は皆よりもだいぶ年上で互いに派手な武功を競うというより、長老的な立場でありました。
だから、全体を見てバランスを取るような役割も担っていたんです。
まあ、四天王の一人に数えられるくらいですから戦だって強いですよ。
ただ、それは四天王時代よりもちょっと古い時代の話。
(若いころには、柴田勝家とか武田の小山田信茂にも打ち勝っています)
家康が本格的に天下を目指しだした頃には、もうピークは過ぎていました。
だけど、忠次は四天王。
戦で若いモンに引けをとっても、忠次の役割が終わったワケじゃないんです。
頼れる先輩がいるからこそ、若い者も安心して戦に打ち込めるというものです。
ただ単に強い者ばかり集めた軍団は、ヘタをすると共食いや分裂に繋がりかねない。
だから、やっぱり忠次がいないとダメなんです。
例えばこんな事がありました。
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見えない武功
1582年、武田軍は天目山の戦いに敗れ滅亡します。
そして、生き残った武田の武将達は戦のあと徳川家にスカウトされていき、新しく仕官した武田系の武将は井伊直政(四天王)の部隊に配属されました。
これを見た榊原康政(四天王)は面白くありません。
「なんで、直政ばっかり良い思いをするんだよ!こんなの絶対おかしい、オレにもちょっとぐらい分けろよっ」
と言って直政の事を僻んで、恨みます。
(その通りかも知れない…)
そこで酒井忠次の出番です。
忠次はとりあえず康政の事を叱り、(二人でどんな話合いをしたのかは分かりませんが)
謎の説教をしてやります。
すると、忠次マジックをかけられた康政は、、、直政と仲直り!?
って言うか、かえって親友になってしまったのです。
直政って気難しい性格だし、康政は鼻っ柱が強いからこの二人が友達になるって結構難しいと思うんだけど、、、
(一体、どんな手を使ったんだろう?酒井さんは…)
かくして、酒井忠次は四天王同士の分裂を防ぐことができました。
こういう事って「じゃあ、武田軍を山分けしましょ」とか「代わりに、石高を上げてもらいましょ」なんてやってても永遠に納得しないです。
それじゃダメなんです。
もっと人間らしく納得しないと上手く収まらない。
それがちゃんと分かっていたのが、忠次だったのですね。
数字や形には現れませんが、これはこれで大きな功績なんです。
やっぱ、四天王には忠次がいなきゃね。
必殺「エビすくい」!
酒井忠次の特技の一つとして「エビすくい」の踊りと言うのがあります。
一体、何なんでしょう?
よくワカラナイですけど…きっと「ドジョウすくい」みたいな踊りなんでしょうね。
で、その「エビすくい」。
こんな事して一体何の役に立つのか…?
これが意外とバカに出来ないんです。
例えば、、、戦場で「えびすくい」。
とある合戦で徳川軍が劣勢に陥った時、忠次が軍兵の前でエビすくいを踊って見せました。
(家康の命じられ…バカみたいな話ですが)
すると、兵士達のどよーんと落ち込んだ空気が笑いに変わり一気は恐怖心が吹き飛んで、士気を取り戻したというエピソードがあります。
兵を励ますためにやった事は「みんな元気だせ!」とか「勝ったらいっぱい褒美をやるぞ!」
じゃないんです。
「エビすくい」だったのです。
同盟の合議でも「えびすくい」
1586年に徳川と北条が同盟を組む合議を行いその後、親睦を深めるための宴会を開きました。
だけど、重要会議の後の宴会ですからね、お互い絶対ピリピリしているはずなんです。
宴会とか言いながら、お互いの顔をうかがって頭の仲は次の一手を考えている。
そこで例の「エビすくい」。
忠次はその宴会の席で、エビすくいの舞を披露します。
こんな大事な時に変な͡コトしてスベったら、それこそお互いの信用を損なってしまう。
だけど、「エビすくい」は100%キマるんです。。
そして、忠次のエビすくいは会場を爆笑に巻き込んで、魔法の様に相手の警戒心を解いてしまいました。
安っぽい「ウケ狙い」じゃない、実利性のある一発芸。
これって、スゴイ武器だと思いませんか?
敵を作らず、勝利を収めるミラクル戦法。
ハンパない殺気で相手を威圧するとか、100万ドルの笑顔で人を魅了するとかなら分かります。
でも、それが「エビすくい」ですからねぇ。
ワケがワカラナイ…。
相手も、まさかそんな事して心理作戦を仕掛けて来るとは思いませんから、
まんまと術中にはまってしまうのです。
(エビすくいの伝説は他にも幾つかあります)
徳川四天王と聞くと「いかにも強そう」「いかにもカッコいい」みたいにイメージしちゃいますが
忠次の場合は、ハズシ技も使いこなせる味のある武将でした。
イメージ的には若干地味だけど、大きな役割を果たした忠次でした。
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