島津家の剣豪、東郷重位。
「チェストー」と叫びながら刀を打ち込んで来る示現流の創始者。
示現流は一撃のパワーがメッチャ強い。
だから、刀で防いでもそのまま頭に食い込んで来るという激烈な剣術。
ホントかなぁ?
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チェストの意味
男ならわかる「チェスト」の意味
さっき「チェストーって叫んで刀を打つ」って言っちゃいましてけど…それって半分マンガの世界の話。
本当は「エイッ」とか「トウッ」に気合いが入って「ギェイ」「チョウッ」に変わり…それぞれが混ぜこぜになった挙句に「チェスト」。
たまにはホントに「チェストー」って聞こえるかもしれませんが、実際のところは「エイッ」「トウッ」「ソレッ」、、、なんて言っているんですね、気合いを入れて。
だから「チェスト」に深い意味なんて無いです。
普通に気合を入れた掛け声なんですね。
ケンシロウも示現流?
ちなみに、ブルースリーの「アチョー、アチョー」は示現流のいわゆる「チェスト」にインスパイヤされて生み出されたそうです。
(チェストを連呼すると、アチョーアチョーになりますよね???)
と言う事は、ケンシロウ(北斗の拳)も示現流の流れを汲んでいるって事かな?
アチョーアチョーが早くなって「アタタタタタ…!」。
北斗の拳が出てきたら空手バカ一代も出さなきゃいけないですよね。
こちらは思いっきり「チェストーッ」って言ってます。
ま、40代より上の男性は「チェスト」の説明なんか要らないと思いますが…。
聞いただけで体が熱くなる事でしょうから。
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東郷重位について
タイ捨流 → 自顕流 → 示現流
東郷重位は「とうごうしげかた」と読みます。
(「しげかた」が難しいですね)
重位は1561年生まれの戦国大名、島津家の家臣。
この人が示現流の開祖です。
重位は、もともと「タイ捨流」という剣術の使い手だったのですが(この頃既に剣豪)
島津義久(島津の殿様)について京都に行った時、運命の人と出会ってしまったのです。
それは、お寺の若いお坊さんでした。
たまたま、島津一行の宿泊所の近くにあった一軒のお寺。
そのお寺の庭掃除をしていた若いお坊さんが何か気になる、重位。
手足の動きはもちろん、ちょっとした仕草の一つ一つにまで全く隙がない。
それでいて、自分の存在を隠すような不思議なオーラを発している。
「何なんだろう、あの人は?」
と関心を持った重位は、近づいて行って話を聞くと…そのお坊さんは「自顕流」(じげんりゅう)の達人だと分かりました。
剣術マニアの重位としては居ても立っても居られない。
重位は「自顕流教えて、教えて!」
とせがんで、その若いお坊さんの弟子になります。
そして、義久のお殿には先に九州に帰ってもらって、自分は京都で剣術修行。
(ボディーガードでお供してるのに…何のこっちゃ?)
そして3年間トレーニングに励み自顕流をマスターします。
重位は九州に帰って独自のアイデアを盛り込みさらに技を高めます。
そうすると、オリジナルの自顕流とはちょっと違うので
地元の坊さんと相談しながら、改めて「示現流」と名乗りました。
ボッコンボッコン、ガッツンガッツンの剣
で、この示現流はどのくらい強いかと言うと…。
当時島津のトップ剣術師範(東新之亟)と練習試合をしたら、一撃で新之亟の木刀を真っ二つにへし折った…。
江戸で滞在している時に柳生派の剣豪二人に勝負を挑まれたのですが、逆に病院送りにしてやった…。
(この時重位は62歳。立ち合いなんかやる年じゃ無いですね)
重位の刀は分厚い囲碁の板をぶった切り、さらに下のフローリングを突き抜けて床を支える柱にまで達したと言います!?
(いや〜、ここまでやるのは現代の解体屋さんでもムリでしょう)
重位が九州に帰って来てからは、示現流が島津家の公式剣術になりました。
そして、重位は門下生達にはこう言います。
「型にこだわらないで、一撃必殺の気合いで打て」と。
地面に背の高い杭をブっ刺して、そいつを左右からガンガン打ち込む。
それを1日1万回打つというトレーニングをさせます。
やらされた方は、たまりませんよ。
手の皮がべろべろに剝けたにに違いありません。
きっと、水飲むなーとか、全員終わるまで帰れないとか、勝手に休憩したら最初からやり直し…とかやってたんでしょうね。
(僕の妄想ですが…)
ちなみに剣道の世界では、対戦相手が九州の選手だと聞くと恐怖を感じるそうです。