マンガ「花の慶次」等でお馴染みの前田慶次郎。
(読んだ事ありますか?)
ストーリーの中ではあまりにも強過ぎ、豪快過ぎ、かっこよ過ぎなので
「こんな人、本当にいるのか?」
なんて、思っている人もいるかも知れませんね。
でも、ご心配なく…慶次はちゃんと実在していましたよ。
しかも、マンガのキャラクターを彷彿させるような傾奇者。
(まったく同じと言うワケのにはいきませんが…ちょっと、ウレシイですね!)
また、前田利家との関係や、慶次のエピソードについてお送りします。
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前田慶次は実在したのか?
時々「前田慶次は架空の人物だ」という論を唱える人がいます。
僕もそれが気になって、ちょっと調べてみたんですが…
きっと、慶次は実在はしていたと思います。
当時の資料として前田家の書状に慶次の家族の事が書いてあったり…
上杉家臣の名簿に慶次の記載があったり…
慶次の日記が残っていたり…
他所の武将との交流録が残っていたりしてますから…
前田慶次が戦国時代にいた事は、間違い無いでしょう。
ただ、まるっきりマンガで見るイメージとは若干違う所もあります。
(当たり前か?)
でもまぁ、ちょっと違うだけなら十分合格としましょうか。
歴史の世界はドラマやマンガを基準にすると、後でとんでもない大間違いだと気付くことがありますよね。
その点、慶次はちゃんと存在を示すものもありますし、自分でヘンテコな名前を名乗ったり、無茶苦茶なイタズラをする等の傾奇者キャラ満載で、ファンの期待にしっかり応えてくれますので。
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前田利家との関係
前田慶次は前田利家の甥にあたります。
でも、血の繋がりは無いんですよね…
それじゃ、慶次はどこから来たのか?
手短に言うと、慶次は滝川系の武将です。
それが、ワケあって「前田」になるのです…
前田利家の家には利久という長男がいて、利家は4番目の弟。
ところが利久兄さんは、前田家の後継ぎなんですが…病弱で子供もいない。
そこで、3番目の兄ちゃんから娘を養子としてもらいます。
で、さらにその娘さんの婿さんが慶次だと言うワケです。
(ちょっと、ややこしい?)
つまり、利家兄さんの所の婿さんが慶次。
では、慶次はどこの家から婿さんに来たのか?と言うと…
それは、利久の奥さんの親戚筋からだそうです。
利久の奥さんは、滝川一益の血筋にあたる人。
滝川系だとすると、慶次は若い頃忍者修行をしていた可能性もあります。
(飽くまでも可能性!ですよ)
え~と、ちょっと複雑になって来ましたので、一言で説明しますと…
『慶次は前田利家の甥なんだけど、血筋は滝川系』ってこと。
ちなみに、滝川一益も面白い人です。
洗濯物が乾くまで、全裸で待ってる…とか。
おっと、横道それちゃった。
慶次は強いか?
マンガでは、敵をガンガンなぎ倒す無敵の慶次なんですが…実際はどうだったと思います?
これについては、諸説あって判断が難しいのですが…(慶次の戦に関する資料が少ないで)
少なくとも「弱っちい武将」ではなさそうです。
兵法や武芸にも心得があり、慶次の勇猛さを記した記述もあります。
最上軍と戦った会津討伐では、見事な采配で殿を務めていました。
ただ、武功に関しては利家も負けていませんね。
「槍の又左」ですから。
でも、後藤又兵衛とか可児才蔵なんかと比べたらどうかなぁ?
慶次、負けちゃうかなぁ?
ゲームの世界では慶次は最強レベルなんですが…
武将の強さって単騎で強いとか、一軍を率いるのが上手いとか、大軍での戦略に長けている等
いろいろなんで、一括りに出来ないところが難しいですね。
歴史の資料には慶次の弱さを証明するものもないですから、この際、強い方のグループに入れといてあげましょう。
慶次の逸話
慶次と言えば「傾奇者」なんで、武将の活躍よりもこっちの方が本業に近いかも知れません。
ただ、これに関してはどこまで本当なのか分らないエピソードもあるのですが…まぁ、多少の事は良しとしましょう。
慶次はキャラで売っている武将ですからね。
では、いくつか前田慶次の傾奇者伝説を紹介します。
利家に逆襲の冷や水
ある日、利家は慶次の口の利き方の悪い事を注意した事があったそうです。
すると、慶次はこれにヘソを曲げて逆襲に出ます。
(逆ギレですね…大人げない)
そして、利家に迷惑をかけたお詫びとして
「お茶を御馳走したいから慶次の家に来てくだい」と伝えます。(これは慶次のワナ)
心を入れ替えた慶次の招待を喜んだ利家は、気を良くして慶次を訪ねました。
利家がやって来ると、慶次は「今日は寒いのでお茶の前に暖かいお風呂でもどうですか?」
と勧めます。
気の利いたサービスに喜んだ利家は、ありがたくお風呂を頂戴するとそれは…
超冷たい水風呂!「冷てぇ!」
利家はカンカンに怒り、お付きの人に「慶次、連れて来いっ!」と叫びます。
しかし、慶次は利家の愛馬「松風」をかっぱらって逃走。
笑えますね…
(※このエピソードは後代の作り話のようです。でも、慶次話で一番有名なんですね)
牛で爆走
昔は「馬揃え」と言って、武将や貴族が集まって馬の品評会をするイベントをよくやっていました。
おのおの自慢の馬を持ち寄って、馬のカッコよさや美しさを楽しむお祭りです。
そこへ、慶次も登場しました。
しかし、慶次は馬じゃなくて「牛」に乗って参上。
そして「乗っかって走れれば、いいんじゃな~い!」
と叫びながら、会場を牛で駆け回ったそうです。
(バカタレですね)
新築の家を斧でガツン
関ヶ原の戦いの後、慶次は米沢に住みついたのですが、その後の傾奇者ぶりは相変わらず…。
ある日、慶次は村の村長が家を新築したと言うのでお祝いに出かけました。
しかし、その家はわざとらしいくらいに立派な家。
その自慢している感じが鼻に付く…。
そこで慶次は新築祝いに、ピッカピカの家の床柱にガツンと斧を打ち込んでやります。
それは「調子に乗るんじゃねーよ」という意味だったそうです。
(ちょっとアンタもやり過ぎだよ…)
身長と年齢
マンガ等の設定では、慶次はバカでかいプロレスラーみたいな体格で描かれています。
でも、慶次の着用した甲冑から判断すると、身長は160cmぐらいの見当。
特にデカいと言う事はないです。
それと、年齢。
現代の慶次ストーリーだと、慶次が若いお兄ちゃんで豊臣秀吉や前田利家がジジイみたいな
イメージがありますが、本当はほぼ同年代。
慶次の生まれ年は諸説ありますが、いずれにしても秀吉や利家とかけ離れている年齢では
ないようです。
まとめ
人気マンガでお馴染みの前田慶次。
そのキャラクターはあまりにも破天荒で「こんなヤツいるのかな?」
と思われがちですが、実際の慶次もなかなかの弾けぶり。
利家との水風呂エピソードはフィクションでしたが、そのくらい事なら慶次ならあり得るも?
ところで、慶次と利家は同年代だったのですね…。
そこはマンガのイメージとは違うところでした。