討ち取った生首をならべて死に化粧を施し、係の人たちが品定め…
歴史ドラマでも、あまり目にしない首実検のシーン。
しかし、どんな戦国大名でも戦が終わると、必ずこれをやっていました。
そして、中には死んでるハズなのに、飛びかかってくる首もあったそうです!( ゚Д゚)
ちょっと怖いっすね。
今日は、そんな首実検のお話を紹介します。
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首実検とは?
戦で討ち取った敵将の生首。
そして、この首は「誰のものなのか」を確定するのが首実検(くびじっけん)。
敵将の首を取ると言う事は、戦で武功を立てた証拠でもあります。
その首をキッチリ見定めることで、戦のボーナス査定が決まってくるワケなんです。
首実検では、戦とは全然関係ない首を持ってきて「ほら、いっぱい武功をたてましたよ」
と言うようなチョンボが出来ないように、第三者を交えて厳密にチェックします。
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首実検の流れ
首実検は戦が終わった後、戦場の近くにあるお寺で行われました。
討ち取った首はお寺に集められ、きれいに洗れます。
そして、首に名前の書いた木札が付けられ「首板」もしくは「首台」に置かれます。
首実検の始まる前にはみんなで勝ち鬨(エイエイオー!)を上げ、それから実検開始。
会場に総大将が現れると、一つ一つの討ち取った首本人の名前や、討ち取った兵の確認、他者の証言を報告します。
そして、事の詳細を首の記録に残す。
場合によっては、生け捕りにした敵将に生首を確認してもらう事もありました。
ちなみに、怨念の残っている首は首実検の最中にジャンプすると言われ、大将は刀に手をかけ、係員は弓や槍を向けて実検に臨んだそうです…。
(怖え~)
実検が終わると、生首たちは捨てられるか、もしくは獄門(さらし首)にかけられます。
また、身分の高い武将の首は首桶に入れて、敵軍に配送することもありました。
この場合、暇乞いの矢という儀式を行い、正式な書式に則った手紙が添えられます。
首化粧・戦死者への弔い
討ち取った敵将の首は、首実検の前にきれいに整えます。
敵と言えども 死後は丁寧に弔うのが武士の作法。
泥や血のついた首は、水で流して汚れを取ります。
さらに髪型をキチンとセットし、お化粧をして、見た目をきれいにしてあげました。
ハイグレードな武将には、お歯黒のサービスまで付きます。
首の切り口からは血がダラダラ垂れて来るので、米の粉をまぶして止血しました。
首化粧のお仕事は、武家の女性たちの担当。
何百もの首を化粧するって、結構大変だと思いますよ~。
(僕は美容師なんでちょっと分かる気がする…)
首注文(首の記録)
討ち取った首に関する記録を首注文と言います。
敵将の首を取る事は、戦で一番大きな武功とされていたので、首の記録は重要なのです。
それゆえに、注意深く間違いのないように記載されます。
- この首は誰のものなのか?
- いつ討ち取ったのか?
- 武器は何を使用したか?
- 大将なのか?
- 一般武将なのか?
- ウソの申告は無いか?…などなど。
これが、戦功のボーナス査定に大きく影響します。
(一番最初に首級をあげるのと、二番目では査定に大きく差が出るらしいんです)
みんな命がけで戦に出ているわけですから、首注文は公正で詳細でなければいけません。
また、間違って記載されたら、討ち取られた首の主にも失礼ですからね。
まとめ
首実検⇒討ち取った敵将の首の確認作業
首化粧⇒戦死者を弔うための化粧
首注文⇒討ち取った敵将に関するデータの記録
テレビドラマではお目にかかれない、戦の後の首実検。
しかし、これも戦国時代を生きる武将には、大切な仕事の一つでありました。